[ ]内は模倣部位
かわせみ(鳥類) [ くちばし ]
- 新幹線の先頭部分の形態に実用化(JR)
- トンネル突入時の空気抵抗を減らし、衝撃音を和らげる効果がある。
とんぼ(昆虫) [ 羽根 ]
- 風速 0.1m/s で回る微風車を日本文理大学/山幡章教授と東北大学/石田教授が実用化に向け開発中
- 室内機のクロススローファン(シャープ)
- とんぼの翼にある凹凸は気流を乱し渦が発生する。渦は揚力を発生させるので翼を羽ばたかせることなく飛行ができる。
- ベアリングのような働きで空気の抵抗を抑えるトンボの羽形状をファンに応用することで送風効率を30%向上した。
イヌワシ・アホウ鳥(鳥類) [ 羽根 ]
- イヌワシとアホウ鳥の羽根を室外機のファンにそれぞれ模倣して取り入れ、送風効率を20%向上した。(シャープ)
- 風をコントロールするイヌワシの翼。先端部が分かれた翼により乱気流でも安定して飛べるイヌワシの翼形状を室外機ファンに応用。風をとらえ効率よく送風できる。
- 長距離飛行に適した、アホウ鳥の翼。空を滑るように飛べ、数万キロも飛び続けることができるアホウ鳥の翼を室外機に応用、空気抵抗が小さくなり効率よく送風。
フクロウ(鳥類) [ 羽根 ]
- 新幹線(N700 系、E5 系)のシングルアームパンタグラフの風切り音の騒音を30%少なくする。(JR)
- 静かに飛ぶ梟の風切り羽根はノコギリ状のギザギザ形状なので空気の拡散をはかり静かな飛行ができる
アサギマダラ蝶(昆虫) [ 羽根 ]
- 扇風機の羽根に実用化。(シャープ)
- 海を渡り数千キロを旅するアサギマダラ蝶のなめらかな風を生む羽根のくびれと羽ばたく時のうねりを模倣すると、自然のそよ風のようなムラの少ないなめらかな風を創れる。
蚊(昆虫) [ 吸血器官 ]
- 痛みの小さい200μm の極細針は市販されている。 ※蚊の吸血器官は 0.03mm である。
- 蚊の吸血はのこぎり状の歯がある小顎を細かく振動させて皮膚に穴を開け、針状の上唇を差し込み血を吸う。下唇がこれを支え咽頭からはかゆみの元となる体液を分泌する。
- 関西大学/青柳教授が蚊の吸血の痛くないメカニズムを解明し、蚊の吸血器官を模倣して痛くない注射針を開発中。
- 東海大学/槌谷准教授が中空針 0.05mm の針を試作した。
蜘蛛(昆虫) [ くもの糸 ]
- 試作は成功し実用化に向けて検討中。(スバイバー/山形県鶴岡市)
- 強度は同じ太さの鋼鉄を上回り、伸縮性はナイロンを超える。
- くもの糸はフィブロインというタンパク質でできている。フィブロインを構成する20種類のアミノ酸の配列を変えたそのDNAを組み込んだ微生物を培養して生産をする。
植物 [ 葉表面の光合成 ]
- 人工光合成
- 植物の光合成のように太陽光のエネルギーを使って水とCO2より有機物を作る。
- 地球の7割は水で覆われ、CO2は地球を温暖化させるほど増加が続いている。これらの無尽蔵な資源から燃料となるメタノールや化学製品の基礎原料となるエチレンなど様々な物質を作れる。
- 岡山大学/沈建教授、大阪市立大/神谷教授らが 2011 年に植物の光合成で水を分解する触媒/マンガンクラスターの構造を解明した。
- 2011 年9月にトヨタ中央研が太陽エネルギー変換効率で世界で初めて 0.04%の開発に成功した。翌2012 年7月にパナソニックが自然の植物とほぼ同じ効率の 0.2%を達成した。
サメ(魚類) [ 肌 ]
- 競泳水着、リブレットフィルム(ミズノ、東レ)
- 鮫の肌のリブレット構造は数十μmからmm間隔の周期的な溝で流体に対する抵抗摩擦の低減ができる。又その他にフジツボや藻などの付着防止に効果がある。
ヤモリ(爬虫類) [ 指先の毛 ]
- 接着、粘着剤(日東電工)
- 指先にひび割れ構造があり、その中に長さ100μm、直径5μ
m程度の剛毛が数十万本密生している。剛毛の先端から数百の直径200nmの皿状の枝毛が分裂している。ヤモリの接着力は指先に密集している階層構造のある微細な剛毛と壁に働くファンデルワールス力によるものとみられている。
キリギリス(昆虫) [ 足の裏 ]
- 自動車エンジンのピストンやシリンダーの摺動部の低摩擦の実用化に向け開発中。(トヨタ)
- 足裏は六角形がタイル状に規則正しく配列された模様になっている。乾いた路面で模様のないシリコン樹脂は摩擦により、滑ったり止まったりを繰り返すがキリギリスの足裏構造にするとスムーズな動きと濡れた路面での横滑り防止の効果がある。