接着寿命の長い撥水撥油防汚剤

■生フッ素

有機フッ素化合物とは

 

 

 

 

 

 

有機フッ素化合物(フッ素樹脂)は分子構造に強固なC―F結合を持つ高分子重合体で、その構造により耐薬品性,耐熱性,電気特性(絶縁性)がきわめて優れ、他に非粘着性,低摩擦性,滑り性,撥水撥油性など他の合成樹脂と比較して全く特異な優れた性状、機能を持っているので、その用途もきわめて広範囲で代替物質もないので、なくてはならない存在になっております。

水や油汚れなどには付着防止効果を持つフッ素系コーティング剤が使用されているが、接触摩擦で簡単にその被膜がとれてしまい、使用先によっては何回も塗りなおすなどの欠点があった。摩耗耐久性を持つ「生フッ素」は接着寿命が長く、兼ね備えているフッ素特有の機能,防汚性,撥水撥油性,更に離型性(非粘着性)もあるので、金属や樹脂など様々な新規用途への使用が可能です。

 

製品概要

:製品名

生フッ素

タイプ(S)

速乾タイプ

・塗布方法・・・スプレー,ディップ,スピン

生フッ素  

タイプ(I)

速乾タイプ

・塗布方法・・・スプレー,ディップ,スピン

生フッ素

タイプ(X)

 遅乾タイプ

・塗布方法・・・手塗り

 生フッ素

プライマー

 ・プライマー

・ボディコート専用

 

荷姿

 

 

 

 

 

 

特徴

1. タイプ

  • 生フッ素 タイプ(S)

:特に摩耗耐久が高いので接着寿命の長い疎水性被膜を形成する。

 

  • 生フッ素 タイプ(I)

: 特に滑り性のある疎水性被膜を形成する。

 

  • 生フッ素 タイプ(X)

: 特に低揮発性なので塗布作業が簡易。疎水性被膜を形成する。

 

機能
  • 撥水撥油性
  • 防汚性
  • 防湿,絶縁性
  • 低摩擦性
  • 耐薬品性
  • 指紋防汚性
  • 低屈折率
  • 離型性
  • 非粘着性

 

 

 

2. 摩耗耐久性が高いので接着寿命が長い

・・・従来の有機フッ素化合物は摩耗耐久性が低いものが多く、使用するうちに摩擦でおちてしまうので塗り直しが必要だった・・・

: 代表的物性値 (S)タイプ

項目 単位 測定値 備考
水接触角(初期) deg 113
N-ヘキサデカン      接触角 deg 68
スチールウール       摩耗試験 deg 107 1kg荷重2000回
摩擦係数 0.14 人工皮革

 

 

 

3. 無機化合物などに弱い接着性がある。

・・・基材によっては、又は接着力を強くしたい場合はプライマーが必要・・・

 

 

 

4. 種々のコーティングが適用可能。

  • ハケ,スポンジ,クロスでの手塗り
  • スプレー噴霧
  • ディップ
  • スピン

 

 

 

■利用先

屋内・屋外環境の家屋,工場,オフィスなどの次の材質に生フッ素の機能を利用する。

材質
  • ガラス(鏡を含む)
  • 陶器
  • 塗装表面(車輛ボディなど)
  • 合成樹脂
  • 金属
  • 木材
  • 繊維

 

 

■使用上の注意

ご使用にあたっては、SDSを必ずお読み頂き、正しくお取扱いください。

 

 

■水接触角を見る。

水平面に少量の水を噴霧し撥水(水接触角)をみる。(接写)

水滴の断面(接写)

水滴の断面(接写)

 

 

 

 

 

 

 

2018年式スズキ『ハスラー』(ディープグリーン色)に塗布し屋外暴露で30日後水を噴霧する。

 

 

 

■動的な濡れ性をみる。

ホースで大量の水を流す(動画)

PB181497 (1)

水平面にホースで水を掛けると1ヶ所に集まって分厚く大きな水の塊となる疎水性(撥水性)を示した。その面を少しずつ傾けていくとその大きな水の塊のまま、ゆっくりと下方へ流れ始める。更に傾斜角度を下げると流れる速度は増していくが丸まった水滴がコロコロと滑る現象とはならない。親水性は全体の面が水に濡れ、徐々に排水(蒸発を含む)されていくが、この『生フッ素』は大きな水の塊が流れた跡には殆ど水が残らず排水されている。

一般に要求される撥水とは雨水が小さな玉となった水滴が滑ってころげ落ちる現象である。この滑って流れ落ちる水滴の除去性の評価は接触角のような静的な濡れではなく『滑落角』(位置エネルギー)が有効である。しかしながら『滑落角』は重力の作用に反して水滴が滑落しないように個体に付着する力の限界を示すもので、どれだけ早く滑落するかの時間の概念をふくんでないので『滑落角』が低くでも速く滑落するとは限らない。最近では、ある傾斜角度においての『滑落速度』や『滑落加速度』の評価が重要と認識されている。

 

 

 

■シミ,汚れ,ウォータースポットの付着をみる。

強く拭きあげてもウォータースポットなどが固まって

除去できない。

ボディ表面に最近流行しているガラス系といわれるシリコンワニスのボディコートを塗布し屋外暴露60日後の状態

軽い拭きあげで光沢のあるボディ表面が蘇る。

ボディ表面に生フッ素を塗布し屋外暴露60日後の状態